
講師の方のご紹介

明治大学文学部(哲学専攻)教授。
1977年、東京都生まれ。東京大学文学部卒、同大大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
ハイデガー『存在と時間』の読解を出発点に、
「知覚」「行為」「自己」などの観点から、
現象学を中心とした現代哲学・倫理学を研究する。
池田喬 先生
単著に、『ハイデガー『存在と時間』を読み解く』(NHK出版)、
『ハイデガー 存在と行為:『存在と時間』の解釈と展開』(創文社→講談社)、
共編著に、『映画で考える生命環境倫理学』(勁草書房)、
『始まりのハイデッガー』(晃洋書房)、
『生きることに責任はあるのか:現象学的倫理学への試み』(弘前大学出版会)、
共著に、『差別の哲学入門 』(アルパカ)、『フェミニスト現象学入門:経験から「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版)などがある。
翻訳に、ヘルマン, D. 『差別はいつ悪質になるのか』(法政大学出版局)、
ギャラガー, S. &ザハヴィ, D. 『現象学的な心:心の哲学と認知科学入門』(勁草書房)、
ハイデガー, M.『現象学の根本諸概念』(創文社→東京大学出版会)などがある。
講義テーマ
ハイデガー『存在と時間』入門
――存在の意味への問いとは?――
ドイツの哲学者ハイデガー(Martin Heidegger,1927-1976)の主著『存在と時間』は、
現代哲学の最も重要な哲学書という評価を得てきました。
特に日本におけるこの本の受容には目を見張るべきものがあります。
翻訳は10種類を超えており、昨年には130名以上の執筆陣による『ハイデガー事典』
(昭和堂)が出版されもしました。
そんな『存在と時間』とは一体どのような本なのか――気になる方もきっといるでしょう。
もっとも、ドイツ語版原著で400ページを超える大著ですので、一回の講義で語れることは
多くはありません。
この講義では、
(1) 『存在と時間』は「存在の意味への問い」を扱う本だが、
では存在の意味を問うとは何をすることなのか、
(2) 『存在と時間』では、この問いを問うためには私たち自身の存在が
問われなければならないとされるがそれはなぜなのか、また、
(3)私たち自身のことは「現存在」と名指されるが現存在であるとはどういうことなのか、
の三点についてお話しします。
それによって『存在と時間』に入門する機会になればと思います。
イベントの流れ
1. 参加者同士の交流
2. 教授による講義
3. 参加者同士での哲学対話
4. 教授への質問コーナー
小休憩